星読み的、日蝕と月食について
星読み深井です。
最近では皆既日蝕や、月食はすっかり天体ショーとして人気を集めていますね。
今までは世界の一部の地域でしか観測できなかった「食」ですが、今ではSNSの普及により、世界各地でおこっている日蝕や月食を世界中で観測することができます。
観測できるかできないかは別として、日蝕と月食自体は、それぞれ半年に一度起こります。
占星術でも、この半年に一回ずつ起こる「食」は大切なイベントとして扱われています。
昔の星読み的「食」の意味は?
「食」とは、惑星が惑星によって重なり、隠されることです。
太陽と月の日蝕や月食が一番メジャーな「食」ですが、そのほかの星でも「食」は起こります。
2022年の11月8日は皆既月食が起こった日ですが、同時に「天王星食」も起こりました。
天王星食って何よ?ってなりますけれど、シンプルに天王星が月に隠される現象のことです。
月食中に違う惑星の食が起こるのは珍しいとのことで、こちら442年ぶりらしく、しかも次に日本で見られるのは322年後と予測されているようです。
ていう珍しい天文の話しはおいても、昔から星読み=占星術的にも、この「食」とは特別な予測をする現象でした。
古くはプトレマイオス(紀元100年~180年ごろ)さんの残した占星術書、「テトラビブロス」にも記されています。
国や都市の全般的な状態に関係する原因の第一は、食における太陽と月の合とその時の星の動きである
テトラビブロス~ロビンズ版より
その他にも詳細に「食」の解釈の仕方が細かく記してあり、当時「食」の研究がかなり詳細にされていたことが読み取れます。
時代は少し進んで、中世の占星術家、ウィリアムリリーの名著「クリスチャンアストロロジー」でも、食については触れられていて、ここでも食の色や状態を観察せよと記されています。
当時は現代みたいにTVやSNSで同時中継!とかできないですからね…。
今よりも原因が今一つわかってない分、「日蝕」も「月食」も相当珍しい天体現象なワケで。
国全体に影響がある現象と考えられていたのも、研究に必死になるのも、当然といえば当然ですよね。
実際に食がみえる場所や時間帯、食の継続時間、なども全てを観察して予測するという認識だったようです。
占星術と天文学が一体化していた時代ならではですね。
珍しい天体ショーなのは、今も昔も同じですが、昔の方がより、「食」自体をあまりよろしくない現象としてとらえられていたようです。
そもそもの英語 eclipseの語源も古代ギリシア語で「力を失う」という意味だとか。
日蝕は特に、太陽が隠されてしまいます。
太陽は時の権力者の象徴でもあったので、その太陽が隠されてしまう…という、不吉、良くないことが起こるなどという解釈もされていました。
それ以外にも、天候や疫病の有無なども予測されていました。
日本でも古事記や日本書紀にも記された、天照大神の「天の岩戸」の神話は日蝕を表しているとも言われていますし、世界各地域に「食」を思わせる神話はいくつも伝えられています。
テトラビブロスを記した、プトレマイオスがスゴいのは、今までの食=不吉という扱いだけで終わらせずに、惑星の影響を考えて、色々な可能性を星から読み取ろうとしているところです。
当時(紀元100年代…)は天文学=占星術の知識でもあったので、最先端の科学者だったともいえます。
日蝕を不吉な迷信とあつかうのではなくて、そこからきちんと天候や現象を読み取ろうとしていたのは、確かに科学者的な考え方ですよね。
星読み的「食」の解釈
現在の日蝕月食は、天体イベントと化しているような気もしますが、やはり珍しい、特別なできごとであることは変わりません。
自分の住んでいる地域で観測できなくても、中継で観ることができますし、日蝕と月食の詳細な予測もできているので、半年に一回はめぐってくることもわかっています。
中継で観るのと、リアルで観るのとでは、体感できる感じや、気持ちもまったく違いますけどね。
理屈はわかっていても、リアルで食を観てしまうとやはり神秘的というか、何か意味付けをされてもおかしくない、日常とは違う異質なこわさを感じます。
だからこそ、天体ショーとして人気になり、日蝕や月食の周期やしくみがわかっている現在でも、星読みの世界でも「食」は重要なタイミングとされているのかもしれません。
占星術では、未だに中世の宇宙観で成り立っている世界なので、日蝕や月食にはやはり大きな影響があると解釈されています。
私も、一年間の星読みをする時には、春分、夏至、秋分、冬至の星の配置はもちろん、日蝕と月食もどんな星の配置なのか?を読むようにしています。
日蝕は半年に一回、新月と共に起こり、月食は半年に一回満月とともに起こります。
半年に一回のサイクルを読むことが多いですが、「食」が起こる時間によって、その後何年間か影響を受けるという解釈もあります。
そして、日蝕月食が起こるサイン(星座)は約1年半から2年ごとに変化していきます。
サインが変わるということは、日蝕月食のもたらす意味やメッセージもまた、約1年半~2年ごとに変わっていくということになりますので、「食」の起こるサイン(星座)はとっても重要なカギを握ります。
また、日蝕や月食の時に重要な配置にいる惑星も強い影響を与えるといわれているので、その惑星もまた大切なポイントですね。
個人的な解釈はとりあえずおいておいて、プトレマイオス流に2022年11月8日におこった月食の影響を考えてみます。
プトレマイオス流に2022年11月9日の月食を解釈してみる
まず、月食がみえる地域、北欧、ロシア、北米、南米の一部、アジア、オーストラリアだったので、これらの地域に重要な影響を及ぼすといえますね。
月食が起こったサインである、牡牛座の管轄地域は現在のイランあたりをあらわすので、こちらと各地域を関連して解釈しなてくはいけません。
ロシアとイラン?また北欧と北米…って考えると、現状、戦争のことしか浮かびあがりませんが…。
つい最近ですが、ロシアとイランが核開発をめぐって急接近しているというニュースをみかけましたよね…タイムリーすぎますかね。
今回は天王星と土星がヒジョーに強くかかわっていた月食ですので、この二つの惑星の影響が強いかと。
しかし、テトラビブロスの土星が与える影響の箇所をここで全てお伝えするとかなりブルーな感じになるので、控えておきますね…。
気を取り直して、牡牛座で起こったことからも、価値観の転換、経済や物価の急激な変化、慣習の崩壊や旧体制や制約からの解放なども引き起こす可能性がありそうですね。
水瓶座にいる土星も、社会の構造を変えようとしているけどなかなか進まないというジレンマもあるので、コトを起こして急激に進ませようとすることがあるかもしれません。
今年初めごろから続いてきた膠着状態や、現状どうにもなっていないことが急展開して、決着がつくこともありそう。
月食の色を観察していましたが、赤みと黒みを帯びていたように感じました(この辺りは主観も混じりますがね)
赤みと黒みを感じる時は火星と土星の影響もあるよってことで、月食の星の配置をみても確かに火星はからんでいないこともないです(ガッツリではありませんが…)
なので、火星の影響もまあまああるのかもと解釈。
テトラビブロスによると、火星の影響として「独裁者は破壊の原因につながる」と書いてありましたが、もうひとつ気になった記述は、「指導者の突然死」とかそのあたり。
突然の暗殺とか、そういうのもあり得るのかも?
天候的には乾燥も激しいそうなので、引き続き山火事にも注意したいところです。
ただ、牡牛座で起こった月食なので、牡牛座の支配星である金星が緩和してくれないかな…とかついつい願望も入れてしまいます。
今回の月食は、部分食が午後6時9分ごろに始まり、終わったのが午後9時49分ごろでした。
だいたい3時間40分くらい継続していたらしいです。
この期間が月食では3カ月半くらい影響が続くと解釈されるので…来年の初めごろには決着がつくのかもしれませんね。
あと3カ月っていうと、だいたい土星や冥王星が移動する頃でもあるので、タイミング的にはアリですね。
ていうか、そろそろ本当に解決して欲しいですよね。
このほか、当時はおそらく「天候」や「自然現象」が生活にとって非常に重要事項だったので、星の配置や様子から、天候を読み解くことが中心だったようです。
今はね、気象学が別途あるので、そちらにお任せしたいと思います。
牡牛座で起こる食には、地震と豪雨の可能性、あとは牛関係の疫病系にも気を付けたいところなので、その辺りはちょっとだけ頭の片隅においておきたいと思います。
まとめ
プトレマイオス流に解釈してみましたが、もちろん現代とは時代も対策も違ってきているので、そこまで深刻に受け止めないでくださいね。
古代では、今よりも死の危険ハンパなかったので、予測も、「気を付けないと死ぬで!!」って感じの「脅し」成分が多めです。
当たらなくても、生きててよかったでしょ?って感じだったのかと思いますし、それこそ私の呪いが効いたので免れたのだよ…ってやってた呪い師さんもいらっしゃったことでしょう。
それでも、現代といえども若干当てはまるところが、占星術がいまだにすたれていない所以ではないかと思いますので、まったく当てはまらないよってことでもありません。
もしかしたら?に備えておこう的に面白がっていただければと思います。
今も昔も、占星術で何かを予測するというのは、人々の暮らしが良くなるように、できるだけ被害は最小限になるようにとの思いからされてきたのだと信じています。
個人に落とし込んだ月食のメッセージはnoteでお伝えしていますので、気になる方はそちらも参考にしていただければと思います。
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参考図書 テトラビブロス~ロビンズ版、クリスチャンアストロロジー